■「効果」から「音響」へ |
舞台音響のことを効果と呼ぶことがあります。効果は「舞台効果」からきた言葉です。舞台効果は音響のみならず、雪が降る・枯れ葉が舞う・火事など視聴覚効果の総称です。舞台装置/舞台照明/舞台監督と並ぶ言葉です。 |
秦和夫氏が、2006年の『シラノ・ド・ベルジュラック』の再演に際して、文学座通信 Vol.566に「懐かしい東横ホール」と題する文章を寄せています。往年の舞台効果の様子がよく分かります。 |
|
『白野弁十郎』(1926 有楽座) |
|
DENON RC-1 型録 |
|
1950年代に入り磁気録音機が台頭すると、円盤録音機は衰退してゆきます。下表は、音盤/フイルム/磁気の各録音方式の比較です。多田正信 『磁気録音機』(1953) からの引用です。 |
各録音方式の比較 (『磁気録音機』(多田正信 1953)より) |
● 磁気録音機 |
SONY "H型" |
前掲の『舞臺効果の仕事』に次の記載があります。 |
園田氏は、テープを利用した音の変造方法として、逆転再生/変速再生/編集/ループ再生/テープエコーを上げています。後年大野松雄氏が『鉄腕アトム』(1963〜 1966) の効果音作りで活用したのは、まさにこれらの方法です。 |
DENON DR-86R |
アナログ時代後期の卓周り (本多劇場 2004) |
● 舞台音響の時代区分 |
Dのアナログ時代後期は、卓が大型化し卓周りの機材がやたらと増えました。再 生機は、CD/サンプラー/MO/MDと多様化します。周辺機器にはデジタルのエフェクタが加わり、ディレイの付加が常套的に可能となります。 |
デジタル時代の卓周り (文学座アトリエ 2017) |
(ステージ・サウンド・ジャーナル 2017年7月号より)