■ 佃 典彦氏はスポーツが好きである |
佃典彦。体が柔らかい。漫画家の佃公彦が父かというとそれは違う。俳優にして劇作家にして演出家である。 B級遊撃隊という劇団の主宰者である。思ふにB級こそ価値がある。A級では自慢しているようで謙虚さに欠ける。C級では調子ばかりが良さそうで風格に欠ける。BC級では中途半端で戦犯と間違えられそうだ。 |
『ピンクの像と五人の紳士』より 右:佃 典彦 |
学生時代に心酔する竹内銃一郎率いる秘法零番館に入団しようとしたことがある。申込みの電話に出たのは俳優の木場勝己。返答は「只今団員募集はしていない」だった。入団できなければ就職を決意していた氏だが、ある映画が切掛けとなって芝居の世界に戻ることになる。
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■ 公演当日 公演は2日間の予定だったが、1日目は雨天中止となった。2日目は晴天。満員の観客が会場を埋めた。泡を喰ったのはNHK名古屋の中継班の連中だ。ぶっつけ本番、野外だから日没しないと暗くならず、照明の具合も分らない。「何とかなりますよ」と声を掛けたものの、こちらも同然の状況だった。 |
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2005年に消滅した名鉄の駅名 |
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左より、若松泰弘 山本郁子 飯沼 慧/撮影=飯田研紀 |
スポーツと言えば、『3A』(演出=佃 典彦/1991) でも野球が、『精肉工場のミスターケチャップ』(演出=伊藤明子/2000) ではボクシングが、『真夜中ボウル』(演出=松本きょうじ/2003) ではボーリングが出てくる。
佃 典彦。頭も柔らかい。
(悲劇喜劇 2006年8月号より/特集=いま気になる劇作家たち)