本書は、心理学を学ぶ学生および言語聴覚士や音楽療法士など臨床現場に携わっている人を対象に書かれた「音の心理学」の入門書です。音の世界全般がバランスよくまとめられています。文科系の読者を特に意識し、数式を省き図版を多用した読み易い内容となっています。また多くの音響心理実験の結果や方法に触れているのが特長です。
中でも音の認知的側面に関する記述が豊富で、「ピアノの調律曲線」「音痴」「環境閾値説」「腹話術効果」「色聴と音視」「迷聴器」など興味を引く話題も多いです。 本書によれば、聴覚には未知の部分が多く全てが解明されたわけではないというのが、現状のようです。
中でも音の認知的側面に関する記述が豊富で、「ピアノの調律曲線」「音痴」「環境閾値説」「腹話術効果」「色聴と音視」「迷聴器」など興味を引く話題も多いです。
本書によれば、聴覚には未知の部分が多く全てが解明されたわけではないというのが、現状のようです。
第5章
それにしても、空気中の音の振動を鼓膜や小骨 (固体) を経てリンパ液 (液体) に伝え、それを神経が電気化学信号として脳に伝えるという聴覚系の仕組みは、驚異という他はありません。内耳神経は片側3万本あると言われています。 この精緻で巧妙な感覚器官を持ったお陰で、人類は歌や音楽や舞台を楽しむことが出来るわけですから、進化の神様!?に感謝するしかありません。
それにしても、空気中の音の振動を鼓膜や小骨 (固体) を経てリンパ液 (液体) に伝え、それを神経が電気化学信号として脳に伝えるという聴覚系の仕組みは、驚異という他はありません。内耳神経は片側3万本あると言われています。
この精緻で巧妙な感覚器官を持ったお陰で、人類は歌や音楽や舞台を楽しむことが出来るわけですから、進化の神様!?に感謝するしかありません。
著者は青山学院大学文学部心理学科教授。専門は認知心理学、音楽心理学、心理言語学。書名に「心理学」とあるとおり、音の物理的側面の記述はあまりありません。 出版時期の関係で、国際標準化機構 (ISO) が40年振りに大改定した、「等ラウドネス曲線」(ISO226:2003) の結果は反映されていません。これは従来のフレッチャー・マンソンやロビンソン・ダッドソン曲線に替わる新しい研究成果で、これについては、産業技術総合研究所のウェブサイトに詳しい記載があります。
著者は青山学院大学文学部心理学科教授。専門は認知心理学、音楽心理学、心理言語学。書名に「心理学」とあるとおり、音の物理的側面の記述はあまりありません。
出版時期の関係で、国際標準化機構 (ISO) が40年振りに大改定した、「等ラウドネス曲線」(ISO226:2003) の結果は反映されていません。これは従来のフレッチャー・マンソンやロビンソン・ダッドソン曲線に替わる新しい研究成果で、これについては、産業技術総合研究所のウェブサイトに詳しい記載があります。
(ステージ・サウンド・ジャーナル 2008年6月号より)