■ (小)劇場用キューランプの設計と製作 |
劇場において、音響や照明のオペレータが、舞台監督からの合図を受けるには、何らかの通信手段が必要です。通常インカムやトランシーバーあるいはキューランプが使われます。 |
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■ 概要 本機の概要は次のとおりです。 ・親機1台 (舞台側) と、子機 (オペレータ側) 2台で一組 ・子機は2系統で、親機から個別に合図が出せる ・表示灯は緑と赤の2色で、それぞれ点灯/点滅と"切"の合わせて5モード ・子機−親機間で双方向の合図が出来る |
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【写真4】試作プリント基板 (白色は基板用コネクター:日本圧着端子製造) |
■ 回路について |
LEDの点滅を担うのは、NE556 (U1) です。非安定モードで動作し、MOS FETリレー (RL1、RL2) を直接駆動しています。点滅の周期は、C3, R11, R13 (C4, R12, R14) で決まります。図の定数で、1秒間に約3回となります。【図1】参照 |
親機の内部 (右上がスイッチング電源ユニット:イーター電機工業) |
■ 子機のスイッチの検知方法 |
■ 部品について |
■『ベンチャーズの夜』
女優の片桐はいりの一人芝居に『ベンチャーズの夜』(作・演出=岩松了) があります。1994年初演なので、18年前になります。スタッフも少人数で、マイクロバスで全国を旅して回りました。 |
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■ 親機/子機間のケーブル長と動作温度について 親機と子機との間のケーブルをどれだけ延ばせるか、ざっと計算してみます【図2】参照。ケーブルには抵抗があるので、延ばすと子機のLEDは僅かながら暗くなります。問題は、子機のスイッチを押した時、リレー (RL3) が正常に動くかどうかです。ケーブルの電圧降下が大きくなると、巻線の電圧が下がり動作しない可能性があります。 23℃では、リレーG5V-1の動作電圧は、最大で定格電圧の約74%です。12Vの74%は、約8.9Vです。この時、R21の両端の電圧は、3.6Vです。8.9Vと3.6Vを足した12.5Vを15Vから引いた2.5Vが、ケーブルに許容される電圧降下となります。 この時リレーの巻線の電流は、8.9Vをコイル抵抗の960Ωで割った約9mAです。R23の電流は12.5Vを270Ωで除した約46mAです。合わせて55mAの電流で、2.5Vの電圧降下が起きる抵抗値を求めると、45Ωとなります。 |
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■ おわりに |
(ステージ・サウンド・ジャーナル 2012年3月号より)